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交通違反による罰金刑・懲役刑は前科となるのか?
交通違反についての解説で「道路交通法に於いて「告知書:赤切符」が切られ、罰金あるいは懲役刑(執行猶予を含む)が確定した場合、前科となる。」とたびたび指摘しています。
でも本当でしょうか?
 
日常用語として「前科あるいは前科者」と言う言葉が使われていますが、法律用語には「前科」と言う言葉は有りません。では「前科」とはどのような事を言うのでしょうか?
刑法で「罰金刑以上の刑が確定:有罪判決」した者のことを通常「前科者」言われています。
その意味において「道路交通関連法違反」による「有罪判決を受けた者」であれば「前科者」とされてもしかたないと言えます。(道路交通関連法による違反に対して科せられるものに、反則金、放置違反金、罰金そして懲役刑が有り、前記の二つについては罰金以上に含まれません。)
ただ、この「道路交通関連法違反による有罪判決を受けた者」を「前科者」とすると、日本国民の大部分の者が「前科者」になってしまいかねません。
そのことを踏まえて以下の記述をお読み戴きたい。
 
通常一般的には「前科者」と言うと、「本籍地の市町村役場に保管される《犯罪人名簿》に記載されている事」を言うという考え方もあります。
この「犯罪人名簿」に記載される者は、「刑法による有罪判決が確定し、執行されている者、あるいは猶予されている者」が記載されます。
だだし、記載された者であっても、刑の執行終了あるいは免除を得てから
罰金以下の刑(罰金・拘留・科料)は、5年
禁錮以上の刑(死刑・懲役・禁錮)は、10年
を経過するか死亡、転居(転居先にて再び記載される)、外国籍と成った者など、また刑が確定しても執行を猶予され、猶予期間を経過また恩赦・特赦により刑が失効すれば、「犯罪人名簿」から削除(破棄または焼却)され「前科」は消えることになります。
(関連法 刑法27条・31条〜34条 恩赦法3条・5条 少年法60条) 
 
そこで問題は「道路交通法による刑罰は記載されるか?」と言う事です。
各市町村において、多くの場合
「交通違反による罰金刑以下の事案は膨大であり処理しきれないため、記載を省略する。」
ことが通例となっているようです。
市町村の「犯罪者記録」を「前科」とするならば、道路交通関連法による罰金刑以下は前科とならないと言えます。
ただし、道路交通関連法による罰金刑を除く懲役刑にあっては、当然「犯罪者記録」に記載されることとなり「前科者」の汚名を被る事となってしまいます。
 
この「有罪判決」の記録は市町村役場だけではなく、検察庁では「犯歴記録」として、また警察庁では「前歴簿」として記録されています。
検察庁の「犯歴記録」に於いても
「道交裁判にあって罰金刑以下の刑に処し、または刑を免除されたものは除かれる。」
としており、つまり記録されないと言うことです。
この条文が市町村の「犯罪者記録に於いて、交通違反のへ罰金刑以下の記載の省略」に影響しているものと思われます。
しかし、一旦検察庁の「犯歴記録」に記載されると、本人が生きている限り抹消されず「死亡」により、やっと抹消されるのですから恐ろしい事になってしまいます。
(関連法:刑法56条・57条 犯歴事務規定2条・8条・18条)
(道交裁判:道路交通法・道路交通取締法・道路交通法取締施行令・道路交通取締令・自動車の保管場所の確保などの法律の違反を問う裁判のこと)
 
市町村の「犯罪者記録」または検察庁の「犯歴記録」への記載を「前科」とするならば、道交裁判による罰金刑以下の刑は、双方に記載されないと言うことは、事実上「赤切符」による罰金刑は「前科者」にならない!と言う事になります。
 
一方、警察庁の「前歴簿」は警察独自に作成しています。
交通違反についてはどこまで記載されているのか不明ですが、検察庁に送検されなかった事案も記録されていると言いますから、検察庁の記録よりも多くのものが記録されており、これも「本人死亡」により抹消される事のようです。
警察での「前歴簿」への記録を「前科」とするならば怖いですよね!
(*警察内部の事はあまり公表されていません。もしかしたら本人が死亡していても、家族簿として残っているのかもしれませんね。くわばらくわばら!)
 
もう一つ、道路交通関連法の違反歴と処分歴が記録される場所が有ります。
それは都道府県の公安委員会です。
「交通違反の記録」と「行政処分の記録」は公安委員会に残ることとなり、行政処分・免許の更新時の講習や免許期間や再取得の欠落期間に影響する事になるのです。
行政処分について過去3年間の処分点数の累積が問われることから、違反点数の記録の抹消は3年?いや、免許証更新時に違反暦を4年遡ると言いますから4年?運転免許取得の欠落期間が最長10年とされている事から、少なくとも免許取り消しの記録は、10年間公安委員会に保存されます。
この記録に於いても道路交通関連法の「前科」と呼ばれることが有りますが、一般刑法に言う「前科」とは違い、「違反及び処分の履歴」という意味合いの言葉です。
でも、この公安委員会の「違反・処分記録」の「前科」の方が免許の停止・取消しや再取得欠落期間など、身近で実生活に大きく影響されますね。
 
「犯罪者記録、犯歴記録及び前歴簿」に記録されなかったとしても、本来罰金刑が刑事罰である以上「前科」である事には違いは無く、「単なるおどし」と受け止めずに道路交通関連法を守り「安全運転」こころがけて頂きたいものと思います。
 
 
 

 
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